トウキョウソナタ

朝7時にバイトをあがって、帰ると眠ってしまうかと思ったので、そのまま恵比寿へ。その時間は出勤している人ばかりで、夜勤明けで疲れている自分は、どんどん追い抜かれていった。着くと映画まで一時間一寸あったので、写美(都民の日で無料!)で映像作品の展示を観賞していた。

トウキョウソナタ 「社会」「戦争」「学校」そして「家族」という、誰もが属するであろう、何かしらの目的をもった「それら」から足を踏み外してしまい、ゆっくりと沈んで溺れていく家族。映画全編を通して、もの凄い閉塞感が漂っていた。かといって、つまらない映画では全くなくて、抽象的な表現だが、常に心をえぐられる感じがする。登場人物本人にとってみれば全くもって笑えないシーンを、上手くコミカルに描いているので、非常に暗澹とした内容ではあるものの、映画館では笑い声が頻繁に起こるという、面白い状況が生まれていた(素直に笑える場面もある)。TOKYO!が客観的に見た東京ならば、これは主観的に見た東京といったとこだろうか。平日の午前中の回なのにほぼ満席だったのは、単に映画の日であったからだけでは無いのだな、と思った。