少し前のことだけど、教習所の帰りに歩いて駅まで向かってるときに、何か音楽でも聴こう、という気になって耳にi podのイヤホンつっこんだのだけど、特に聴きたいと思うのが特定できなかったので、シャッフルで聴くことにした。
僕のi podは非常にサービス精神の旺盛なやつで、シャッフルにすると、入れてたけど何となく手が伸びずに聴けていなかった曲ばかりを流してくれる。いつも、「あれ?こんないい曲入ってたっけかー」とアーティスト名と曲名を確認して、i podに入れただけで満足して自発的に聴くまで至らなかった自分を情けなく思ったりする。今回もそんな新しい出会いに期待して聴いていたら、4、5曲目くらいで高校の時によく聞いてたけれど、今では一年に一回聴くかどうかという曲が流れだした。始めは、懐かしいのぅなどと、剃るのをさぼって汚く伸びた髭を触ったりしながら聴いてたけど、終わる頃には冗談抜きで涙が出そうでたまらなかった。
そのバンドが好きで、良く聞いていた高校の時ですらそんな感覚に陥ったことはないのになんでだろー、と考えたけど、よくわからん。

自分『iPod買ってから、「あーあの曲聞きたいけど、家に帰らないと聞けないなー」という感じがなくなった気がするんよね』

友達『でも、あの曲聞きたいってときにすぐその曲聞けるのってiPodの最大のメリットじゃないのかい?』

自分『そうかなぁ・・・・』

と、いう会話を友達と半年前くらいにしてて、そういうシチュエーションが無くなるのは音楽をしっかり聴くことが少なくなるんじゃないのか、それはどうかっていうことが言いたかったのだと思うけど、そういうシチュエーションに当てはまっていようといまいと、まったく関係のないところで音楽による恍惚はやってくる。しっかり聴きたい時はしっかり聴けば良いし、軽く聞きたい時は軽く聴けば良い。音楽というものに触れて22年、今更そんなことを実感した。


おしまい


the doves - There goes the fear